写真や映像を撮る上でかかせない色の表現。色を表現したり探ったりするのは最も楽しい部分でもありますが最も難しい部分でもあります。
今回は「そもそも色とは何か」という点について記事にしていこうと思います。
色とは光
まず私たち人間が色を見ているのには3つの要素があります。
「光源」「物体」「視覚」
この3つで色を認識しています。
1.光源
まず大事なのが太陽の光。
光にはいくつもの種類があります。
紫外線、赤外線、ガンマ線、X線…etc
その中で人間が認識できるのが「可視光線」と呼ばれる範囲の光で
赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7色で構成されています。
図で表すとこういう感じです。
そもそも光が無ければ何も見えません。それはすなわち色を見る事ができない。色が存在しない事になります。
しかし光によってそこに物体があることが分かりそれに色があると認識できます。
2.物体
次に物体について。
リンゴは赤い。一般的な常識です。そう見えている人が多数だと思いますが、なぜそう見えているのか。
光そのものは無色に見えますが、先ほど解説した可視光線の色の中でもリンゴは赤を感じさせる光だけを反射し、それ以外は吸収していることから私たちには赤く見えているのです。
もう少しわかりやすい例えで言うと、海は青い。
そもそも水は透明なのになぜ青く見えるのか。
海の中には様々な物質がありますが水は赤い光を吸収する性質をもっていて青を感じさせる色は吸収しにくく反射する性質をもっています。よって青く見えるわけです。
空の色を反射しているという理由もありますが、空が青いのと海が青いのとでは理由が違います。
空気には青い光を曲げる性質があり、大気中には小さな微粒子が浮遊していてその微粒子に反射して光が散乱されます。
このとき波長の短い光のほうがより強く散乱されます。青い光は波長が短く、赤い光は波長が長いので、青い光ほど散乱される量が多いのです。さらに昼間は太陽が真上にあるため、太陽光が大気を通る距離が短くなり青い光が適度に散乱するため、空は青く見えるのです。
朝焼けや夕焼けが赤く見えるのは、太陽との距離が遠くその際波長の短い青い光は散乱し、波長の長い赤い光だけ私たちの目に届くからです。
ちなみに都会のほうが夕焼けが赤いのは、都会の大気には微粒子が多く含まれ、青い光の散乱がより多く起こって、強い赤色に見えると言われています。
3.視覚
上記の2つを踏まえて考えると私たちは
太陽からの可視光線(認識できる光の色)をその物体が反射した色を見ているという事が分かると思います。
よって色とは光であるという事です。
さらにここで面白いのは動物によって認識できる色が違ったり、同じ人間でも見える色が違ったりするという事。
私が子供の頃は犬や猫は、モノクロの世界を見ていると一般的に言われていましたが、最近では青、緑、黄色が見えていて紫外線の反射した色も認識できていると言われていますね。
個人差はあると思いますが人種や性別によっても認識できる色が違ったりもします。
日本人の目は大半が黒目(茶色)ですが欧米などでは逆に青い目が大半なんて国もあります。青い目の場合認識できる色に違いはないと言われていますが、黒目の人よりも赤色が4倍ほど強く見えているとか。
まとめ
少し雑学っぽいような内容になってしまいましたが、色とはそもそもなんなのかという点を知り理解することでより撮影する写真や映像に深みが増すかもしれません。
次回は色彩や色覚なんかについても書いていけたらと思います。